今回はカイロプラクティックの施術における大事な考えである、「サブラクセーション」についてです。
この概念のもとに脊柱に対するアプローチを行うのがカイロプラクティックです。
ぜひご参考になさってください。
カイロプラクティックサブラクセーション

「サブラクセーション(Subluxation)」という言葉を聞いたことがございますか。
カイロプラクティックにおいて、この概念はとても重要な意味を持っています。
サブラクセーションとは、骨のズレや関節の動きの異常によって、神経の働きが妨げられている状態を指します。
サブラクセーションとは?どんな状態なの?

一般的な医学的な意味
医学的には、「脱臼ほどではないものの、関節がわずかにズレた状態」を指します。
例えば、X線でもわずかな位置の不整が見られる状態が「サブラクセーション(部分脱臼)」とされます。
“A subluxation is an incomplete or partial dislocation of a joint…” PMC+6ウィキペディア+6ウィキペディア+6
カイロプラクティックが捉えるサブラクセーション
カイロの世界では、これは単なる骨のズレ以上の意味をもちます。
「関節の微細な問題が神経系・筋肉・内臓などに影響を与える状態」として捉えています。
WHOによる定義でも、
“a dysfunction in a joint or motion segment in which alignment, movement integrity and/or physiological function are altered, although contact between joint surfaces remains intact”
(関節の構造的接触は保たれているが、配列・可動性・機能に異常がある状態)とされています。チロパシエント+3ウィキペディア+3ウィキペディア+3
つまり、神経への干渉・生理機能の乱れ・筋骨格の不均衡・組織の反応などを含む、機能的なズレを指します。
日常の例でイメージ
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いつも同じ肩に鞄を掛けていると、その側の肩甲骨周辺の関節が微妙に固まり、神経の流れに影響しやすくなる。
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長時間スマートフォンやパソコンの画面を見ていると、首や背骨が前傾しやすく、神経や血流のバランスを崩すことがある。
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慢性的なストレスや無意識の緊張により、呼吸や姿勢が偏り、筋肉と神経の連携が乱れる。
こうした日常生活の習慣や癖が、目に見えない“サブラクセーション”を積み重ねる原因になります。
カイロプラクティックにおける“サブラクセーションの捉え方”
| 観点 | 内容 |
|---|---|
| 構造的視点(医学) | 関節がわずかにズレた、X線で確認できる変化 |
| 機能的視点(カイロ) | 神経・筋膜・筋肉・内臓へ影響を及ぼす、目に見えない関節機能不全 |
| WHO 定義 | 接触は保たれつつ、位置・動き・機能に異常がある |
| 臨床的意義 | 微細なズレが回復力の妨げとなりうる可能性がある |
なぜそれが大切か?

サブラクセーションは、身体の「調律された状態」を狂わせ、本来の自己修復力が働きにくくなります。
だからこそ、“気づけない不調”を取り除くために、調整を行うことが重要とされます。
サブラクセーションは独自の分析法により確認いたします。
なぜ現代人は「サブラクセーション」を起こしやすいのか?

さらにサブラクセーションが起こしやすい原因をお話しいたします。
あなたの背骨や神経に、日々どれだけの負担がかかっているかご存知でしょうか?
カイロプラクティックで重視する「サブラクセーション(神経機能の妨害)」は、見えない日常のストレスの蓄積によって生じると考えられています。
そして現代社会は、その“ストレスの嵐”の中に私たちを置いています。
大きく分けると、サブラクセーションを引き起こす要因は以下のように分類されます。
1. 肉体的ストレス 〜姿勢・動作・外傷〜
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長時間のスマホ・PC作業で首が前に出る
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重たいカバンをいつも同じ肩にかけている
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寝具や椅子の影響で姿勢が崩れる
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転倒や交通事故、過去のケガの影響が残っている
→「ちょっとしたクセ」が、背骨や骨盤に負担をかけ、神経の伝達ルートに干渉するようになります。
2. 精神的ストレス 〜感情の緊張が神経を圧迫〜
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締め切りや人間関係のプレッシャー
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不安・怒り・悲しみなどが持続する
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過剰な責任感や慢性的な緊張感
→感情は身体に表れます。呼吸が浅くなり、肩に力が入り、無意識に身体が硬くなることで、筋肉の緊張が神経圧迫を引き起こします。
3. 化学的ストレス 〜体内に入り込む「目に見えない異物」〜
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空気中の排気ガス・タバコの煙
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食品添加物・保存料・農薬
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鎮痛剤や過剰なカフェインなどの薬物摂取
→これらは内臓に負担をかけ、自律神経系のバランスを崩す原因となります。結果として、神経の働きそのものが弱まり、背骨の動きや筋肉の調和に悪影響を及ぼします。
4. 栄養ストレス 〜「何を食べているか」が神経を左右する〜
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高糖質・高脂肪・偏った食事
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食べ過ぎ・飲み過ぎ・不規則な食習慣
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必須栄養素の不足(ビタミン・ミネラルなど)
→細胞や神経の修復に必要な材料が足りなければ、身体は正しく働けません。つまり「不調の修復力」が下がってしまうのです。
5. 情報過多・刺激過多の現代社会
現代はスマホ通知、SNS、ニュース、広告など、“常に気を張らせる情報”が飛び交っています。
無意識のうちに交感神経が優位になり、自律神経のバランスが乱れ、筋肉や内臓も常に緊張した状態に。
サブラクセーションは“現代社会の副作用”ともいえる
このように、私たちの身体は想像以上に多くの外的・内的ストレスにさらされています。
そしてそれらが静かに、じわじわと、あなたの神経系や骨格のバランスを乱し、「サブラクセーション」をつくり出しているのです。
しかも厄介なのは、「自分では気づけない」こと。
だからこそ、カイロプラクティックでの施術は、神経の流れをクリアにし、本来の自己治癒力を高めることを目指しています。
考えの根底には、様々な不調には「サブラクセーション」が関わっているという前提のもとに考えるのが私たちカイロプラクターです。
調整方法

当院では、ミリ単位のズレを見極めるために、丁寧なカウンセリングと分析を行います。
そして必要に応じて、ソフトな刺激または矯正的な手技を用いて、神経の通り道を整えていきます。
カイロプラクティックと整体の違い

よく「カイロと整体は何が違うのですか?」と聞かれます。
実は「整体」という言葉には明確な定義がありません。日本独自の表現であり、
マッサージやリラクゼーションなど様々な施術を含む“総称”のような言葉です。
一方、カイロプラクティックは世界約90カ国以上で法制化されており、
神経系と背骨の関係に基づいた「構造医学・哲学」を持つ独立したヘルスケアです。
例えるならば、「整体が野菜の総称」なら「カイロプラクティックはキャベツ」。
つまり、大きな枠の中に含まれる専門的な施術体系です。
最後に
当院では、目に見えない「ズレ」や「緊張」を的確に捉え、
その人にとってベストな状態に導く「身体の調律」を行っています。
自然治癒力を引き出す本質的なケアにご興味がある方は、ぜひ一度ご相談ください。
参考文献・外部リンク
- Wikipedia - Vertebral Subluxation
- BMC Chiropractic: Evidence Review on Subluxation
- Chiro.org - The Definition of Subluxation
この他にも国内外にはサブラクセーションについて書かれた文献やサイトがたくさん存在いたします。
今回のお話はあくまで、どのような考えが根底にあるのかという意味を込めて記述いたしました。
ぜひ、カイロプラクティックについてのご参考になさっていただければ幸いです。
執筆者:B.C.Sc-Bachelor of Chiropractic Scienceカイロプラクティック理学士 応用理学士 杉原伴