諦めないこと 〜回復に時間がかかる症状との向き合い方〜

施術をしていると、「これは少し時間がかかりそうだな」と感じる症状に出会うことがあります。
検査の結果やこれまでの臨床経験、そしてその方の回復スピードなどを総合的に見て判断するのですが、特に神経症状を伴うケースは、回復までに時間がかかることが多いです。
神経症状とは、運動機能の低下や感覚異状、自律神経系の異常などです。(例えばしびれや力の入りづらさ、感覚の鈍さなどのこと。)
病理的な問題がなければ施術は可能ですが、変化が現れるまでに少し時間がかかります。
今日は、そんな「時間のかかる症状」と向き合い、諦めずに回復を遂げた方の症例をご紹介します。
座っていると首や背中、腕が痛む
Aさんは、「仕事中に座っていると首や背中、腕が痛く重くなってくる」というお悩みで来院されました。
検査の結果、斜角筋症候群や小胸筋症候群といわれる状態が考えられました。
人の身体では、血管や神経が筋肉や骨の間の隙間、トンネルを通って全身に張り巡らされています。
そのトンネルを形成する筋肉に負荷がかかると、神経や血流が圧迫され、血行不良などの影響で痛みやしびれといった症状が強く現れることがあります。
痛みが落ち着いた後に見えてくるもの
初回は、関連する筋肉への施術とバランス調整を行い、次回まで様子を見ていただきました。
2回目の来院時、痛みは軽減していましたが、新たに「筋肉に力が入りづらい」とおっしゃいました。
確認すると、確かに特定の筋肉で出力が弱くなっていました。
初回は痛みが強くて気にならなかったものの、痛みが落ち着いたことで、今度は“力の入りづらさ”がはっきり感じられるようになったようです。
この方は筋トレが趣味で、トレーニング中に特に違和感を感じるとのことでした。
回復には「時間」と「継続」が必要
痛みは比較的早く落ち着くことが多いのですが、筋力の回復は別です。
神経の働きや筋肉の再教育が必要になるため、回復までに時間がかかります。
この方の場合も、約1か月〜1か月半ほどコンスタントに施術を続けることで、ようやく力の入り方が戻り、安定してきました。
大切なのは、「すぐに結果が出ないからといって諦めないこと」。
お互いが信じて続けることで、身体は少しずつ確実に応えてくれます。

AK(アプライド・キネシオロジー)という視点
場合によっては、通常の施術に加えてAK(アプライド・キネシオロジー)という特別な検査法を用いることもあります。
これは筋肉の反応を利用して身体の状態を評価する方法で、東洋医学的な見方や栄養学的な視点、反射の反応なども取り入れることができます。
一般に知られている「筋力テストで力が入る・入らない」といった映像の多くは、このAKから派生したものです。
身体をよりホリスティック(全体的)に捉えるツールとして、とても有効です。
見立てを変えると、道が開けることがあります。
施術を続けていて「ある程度良くなったけれど、そこから停滞している」という時があります。
それは個々の回復ペースによる場合もありますが、見方を変え、アプローチを少し変えることで、一気に改善が進むことがあります。
今回の症例もまさにそのケースでした。
ベーシックな施術に加えてAKを取り入れたことで、身体の反応が大きく変化し、ゴールがぐっと近づきました。
諦めず向き合うこと
痛みや違和感が長引くと、どうしても不安になったり、「もう治らないのでは」と思ってしまうこともあります。
ですが、身体は常に回復しようとしています。
その力を信じて、私たちも施術を受けていただく方も諦めずに向き合うことが大切だと思います。
最後に
時間がかかる症状ほど、ゆっくりと確実に変化していくものです。
焦らず、諦めず、コツコツと。
ライフバランス上原