2023.12.04
Category:スタッフブログ
Class:中村腰痛養生法
朝の腰痛対策|腰痛養生法1
執筆:中村優斗 ドクターオブカイロプラクティック 作業療法士
ライフバランス 松戸のホームページへのご訪問ありがとうございます。
中村です。
坐骨神経痛でお悩みの方がここ最近ではとても増えてきています。
ここでは自分がどのような原因で坐骨神経痛になっているのかということと、その解消法について簡単に解説していきます。
結論から言うと坐骨神経痛には以下の3つの原因で起こっていることが多いです。
・椎間板ヘルニア
・脊柱管狭窄症
・梨状筋症候群
(各症状についてもまた解説致します)
患者さんの話を聞いていると自分がなぜ坐骨神経痛なのか分からずどのように対処すれば良いか分からないというお話をよく聞きます。
そのためここでは自分がどのタイプの坐骨神経痛なのか専門家でも何が原因かがはっきりと分からないことが多い3つの原因を今回は症状やタイプ別に紹介しその対処方法を解説していきますね。
坐骨神経痛の主な原因は3つあると書きましたがそれぞれの詳しい病態や原因については別のブログでも紹介していきます。ここでは自分がどのタイプの坐骨神経痛なのかそれを整理しておくことが大切です。疾患別に表にして分けると症状や特徴がわかりやすいので以下を参考にしてみて下さい。
腰椎椎間板ヘルニア | 腰部脊柱管狭窄症 | 梨状筋症候群 | |
好発年齢 | 20〜30代 | 40代後半 | 幅広い年齢で起こる |
男女比 | 2〜3:1(男性に多い) | やや男性に多い | 1:6(圧倒的に女性が多い) |
症状 | 腰痛と脚の痛み,痺れ | 腰痛よりも脚の痛みや痺れ | お尻の痛み,足先までの痺れ 腰痛は比較的少ない |
原因 | 長時間の同じ姿勢 腰に負担をかける動作の反復 |
運動不足,背骨やその周囲の変形や変性 | 長時間の座る姿勢 スポーツによる筋肉の過度の使用 |
悪化する要因 | 運動や中腰などの前屈み姿勢 咳やくしゃみ,息む動作 |
歩くと悪化,休むと改善 腰を反らすと悪化,丸めると改善 |
車の運転やデスクワーク 体を捻る動作の多いスポーツ |
膀胱直腸障害※ | 時により | 時により | ない |
自転車に乗ると… | 痛い | 楽になる | お尻の当たる場所により痛い |
リスクファクター | 喫煙習慣 | 糖尿病,肥満,骨粗鬆症,加齢 | 特になし |
※膀胱直腸障害とは,神経の圧迫により
排尿や排便のコントロールが上手くできなくなる症状を言います。
上記の表をまとめると改善と対策がつかめそうですね。
この表を頼りに対策方法を考えていきましょう。
こういった症状になると「病院が良いのか鍼がいいのか,それともカイロプラクティック?」といったお悩みがあるかと思います。
前提として病院と鍼,カイロでは根本的なアプローチ方法が異なります。
■病院では今の症状改善する方法
■カイロプラクティックや鍼灸では症状を悪化させている原因を改善する方法
といった違いがあります。
どちらかが優れているという訳ではなく例えば先ほど紹介した膀胱直腸障害などの、比較的重い症状の場合であれば第一選択は病院での手術となります。
ただそういった症状を引き起こすのも日々の習慣が原因となっていることが多いためカイロプラクティックや鍼などのケアがとても大切になってきます。
特にカイロプラクティックは背骨に対するアプローチを得意としているため施術もそうですが日常生活のアドバイスなどその方に適した改善方法を提案することができます。
→カイロプラクティックについてはこちら
このように治療方法の選択も様々ですが日々のケアもとても大切です。
次の章では日常生活で誰でも簡単に行える改善方法を見ていきましょう。
坐骨神経痛は日々の過ごし方からきているある種で生活習慣病とも言えます。
逆に言うとある程度の症状であれば、日常生活からも改善が十分期待できます。
ただ同じ坐骨神経痛であってもその原因が異なるため違った方法で行うと逆に悪化することもあります。
上記の表から自分の症状と照らし合わせて頂いてそれに合った改善方法を行っていきましょう。ただ下記の方法で痛みや痺れが強くなった際にはすぐに運動やストレッチを中止して下さいね。
腰椎椎間板ヘルニアは基本的に腰を曲げるストレスに対して悪化する傾向にあります。
またそれを助長するような姿勢も良くありません。
ヘルニア部分にストレスがかかっていることは間違いないですが腰部に加わるストレスを減らす意味でも他の部分との動きの協調も大切です。
それらを踏まえて以下の運動とストレッチがおすすめです。
こちらはとてもシンプルで簡単です。タオルを用意して頂きます。そのタオルを丸めて頂いて
ちょうど肩甲骨辺りに当たるように敷いて仰向けになります。
膝は曲げた状態にして頂きゆっくりと息を吸いながら両手をバンザイして息を吐きながら腕を戻します。
この運動を5回ほど繰り返します。
腰椎部分にストレスとしてかかってしまうのは胸椎の可動性の悪さから来ていることも多いです。
そのため,この運動をまずは行っていきましょう。
今度は四つん這いになって頂いて体幹を回旋(回す)運動を行なっていきます。
片方の手を頭に回してその方向へ後ろへ振り向くようにして体を捻ります。
左右同じくゆっくりと5回ずつ行いましょう。
この時のポイントは猫背や反り腰になり過ぎないように
おへそを見るようにして腹筋の力を少し入れ続けるようにしましょう。
椎間板ヘルニアでは胸椎と同様肋骨部分の可動性が低下してしまいます。
その結果腰部のストレスが大きくなる上に呼吸が浅くなり交感神経が優位になってしまいます。そうすると患部の回復も遅くなってしまい痛みには敏感になってしまいます。
そのためにもこの運動はとても重要なものの1つということになります。
「デッドバク」とは死んだ虫の意味で仰向けになって横たわっている虫の様子からこの名前がついています。まず仰向けになり腕と脚を天井に向けて真っ直ぐ伸ばします。
片方の脚と反対側の腕をそれぞれ頭上と床方向へ8秒くらいかけてゆっくりと伸ばします。
もう一度元の位置に戻し次に反対側の手足も伸ばします。
これを5回ほど繰り返し行います。
この運動はお腹の力を絶えず抜かないように意識することがポイントです。
そのため,反り腰になりやすい人は予め目線をおへそに向けておくことがコツです。
腰部脊柱管狭窄症に対しては腰を反らせるなどの動作で脊柱管の狭さを作るような動作をしてはいけません。
ヘルニアに比べて狭窄症では運動不足で痛みを起こしている人の方が圧倒的に多い印象です。
そのためヘルニアと比べてやや運動がメインになります。
四つん這いの姿勢から背中を丸めて戻す動きを繰り返します。
キャメルとはラクダのことでちょうど「ひとこぶラクダ」をイメージして動かしていただければ良いですね。
脊柱管狭窄症においてはまず下肢の痺れや痛みを起こさせないようにするのがポイントです。
そのために神経の束,脊髄の通り道である脊柱管を物理的に広げてあげる必要があります。
脊柱管は腰を反る,いわゆる腰部の伸展によって通り道が狭まってしまいます。
そのためその通り道を広げるために腰を丸める動きを行います。
猫背にならないか心配になる方がいますがこのくらいの運動でなることはありません。
むしろ今は痛みや痺れをいかにして軽減させていくかを考えるほうが得策というわけです。
次に仰向けになり膝を曲げます。
手を太もも前に置き膝に向かって太ももを摩るようにしながら頭を少し起こします。
この時に肩を浮かせる必要はありません。頭が軽く上がったら,また最初のポジションまでゆっくりと戻ります。これを10回行います。
脊柱管狭窄症では主に体幹部分の弱さの結果、腰部の起立筋群(特に腰腸肋筋)の過剰な働きの結果、不良姿勢と呼ばれる悪い姿勢になることが多いです。
そのためにその姿勢悪化に繋がらない体幹の強化がとても大切になってきます。
肘を曲げて背中を伸ばしながら肩甲骨を引き寄せたり引き寄せたまま腕を上下に動かします。
狭窄症では不良姿勢の影響で肩甲骨の安定性が悪く,歩いたり腕を動かしたり1つ1つの動作が腰に負担がかかってしまいます。
肩甲骨を安定させることで、正しい腕の操作や骨盤の動きが獲得できるため腰の負担が減っていきます。
正しい体の使い方を覚えることで、腰にかかる負担が徐々に軽減していきます。まずは痛みの改善のために、腰部にストレスをかけないようにしていきましょう。
梨状筋症状群では上記2つと違いその名の通り梨状筋という筋肉が悪化の原因となっているためその筋肉に負荷がかかる姿勢や座り方に気をつけましょう。
横向きになり軽く膝を曲げます。
上になった脚を開くようにして股関節を外側に動かします。
それをまたゆっくり閉じるの動きを10回ほど繰り返します。
梨状筋症候群の場合その名前の通り梨状筋の動きが硬く悪くなっていることが多いです。そのためにまずは自発的に動かしてあげてその伸縮性を作ってあげることが大切です。
仰向けになり片方の脚を浅めに組みます。
両足を持ち上げて太ももを持ち脚をかけたお尻の筋肉をゆっくりと伸ばします。息まないようにリラックスした状態で呼吸します。
これを30秒ほど行いましょう。
梨状筋症候群の方は圧倒的に梨状筋が緊張していることがとても多いです。適度な運動や負担の少ない姿勢など日頃からできれば良いのですが、それが難しいという方にはとてもおすすめです。
柔軟性をつけるために日々継続しましょう。
最後にお尻の筋肉を鍛えていきましょう。仰向けになり両膝を曲げます。
8秒くらい時間をかけてお尻を上げてそのまま8秒上げたままでキープします。
同じく8秒かけてお尻を下げる。これを5回繰り返しましょう。
梨状筋が過度に緊張してしまう原因としてお尻の筋肉が上手く働いていないことにあります。
その代表として表面にある「大臀筋」は特に日本人は機能低下を起こしやすい筋肉です。
それが梨状筋の過度な緊張を起こしている例がとても多く見受けられます。
梨状筋症候群の場合は腰椎ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症と違い対処法が他にもたくさんあります。
そのため別のブログでも症例や改善方法を紹介していきますね。
今回は坐骨神経痛の原因は何かそれにはいくつか種類があって、改善方法は様々という内容を書かせていただきました。
もちろんこれ以外にももっと細かく分けると、坐骨神経痛を引き起こす原因はいくつもあります。
今回は3つ紹介させていただきましたが、今後さらに他の原因によって引き起こされる
坐骨神経痛の改善方法も書いていきます。
どの坐骨神経痛でも共通して言えるのは、自分のタイプに合った症状や原因がわかると、改善の仕方がわかります。もちろんこの内容だけを鵜呑みにせず病院や体のケアの方法をもっとたくさん知ることも大切です。
この記事だけでなくよりもっと詳しい内容を今後も書いていこうと考えています。
ぜひそちらの記事もご参考になさってください。