2024.03.03
Category:お役立ち情報
Class:カイロプラクティック腰痛
腰痛の改善に必要な4つの要素 ライフバランス松戸
執筆者:B.C.Sc-Bachelor of Chiropractic Scienceカイロプラクティック理学士 応用理学士 杉原伴
この記事では「カイロプラクティックとは」についてなるべくわかりやすく、一般的な意見から私見までを記述しております。 わかりやすくといっても、難しい表現やわかりづらい言葉もあるかと思います。カイロプラクティックの紹介がメインですので、ご了承ください。
カイロプラクティックとは、主に神経系と筋骨格系に焦点を当てた補完療法であり、特に脊椎や関連する組織の機能障害や痛みの施術に重点を置いています。この施術法は、脊椎や関節の調整、筋肉のストレッチ、エクササイズ、生活習慣のアドバイスなどを通じて、身体のバランスと機能を改善を促します。
カイロプラクティックの基本的な考え方は、神経系が身体の機能に大きな影響を与え、神経系と筋骨格系が密接に関連しているというものです。脊椎や関節の調整等を行い、神経系の働きを改善することで、身体全体のバランスが回復し、痛みや不快感の軽減を促します。
カイロプラクターは、特に脊椎(背骨)に焦点を当て施術を行います。施術は主に手技で行います。器具を使ったテクニックもございます。特に調整(アジャストメント)と呼ばれる手法がよく知られています。これは、特定の関節や脊椎に対して、軽い圧力や速い動きを伴う調整を行うものです。
<カイロプラクティックとは紹介動画です>
筋骨格系の障害とそれが及ぼす健康全般への影響を診断、治療、予防する専門職であり、関節アジャストメントもしくは脊椎マニピュレーション(アジャストメント)を含む徒手治療を特徴とし、特にサブラクセーション(神経系の働きを妨げ生理学的変化を起こす因子)に注目する。
とされております。
厚生労働省の統合医療の情報発信サイトでもカイロプラクティックが一般的な定義がされています。
カイロプラクティックとは、19世紀末にアメリカ合衆国で始まった補完療法であり、以下のような歴史がございます。
創始者: カイロプラクティックは、1895年にデイビッド・D・パーマー(David D. Palmer)によって始められました。パーマーは、患者に背骨の調整によって健康が改善されるという信念を持っておりました。これを「カイロプラクティック」と名付けました。
神経系への焦点: パーマーは神経系が健康に重要な役割を果たしていると信じ、脊椎の調整が神経系のバランスを取り戻し、自然治癒力を高めると考えました。彼はこの治療法を神経学的なアプローチと位置づけました。
初期の発展: カイロプラクティックは初めは小さな規模でしたが、1900年代初頭には成長し、新たなカイロプラクティックの学校が設立されました。パーマーの息子であるビジェイ・パーマー(B.J. Palmer)も重要な役割を果たし、その後の発展に寄与しました。
法的な問題: カイロプラクティックは当初、医療の主流からは一部で疑念を抱かれ、法的な問題にも直面しました。一部の医師や医学協会は、カイロプラクティックを非科学的で無効とみなし、その実践を妨害しようとしました。
合法化と普及: カイロプラクティックは法的な問題にもかかわらず、徐々に広まり、20世紀半ばには多くの国で合法化されました。独自の教育制度が確立され、カイロプラクターは独自の資格を取得するようになりました。
カイロプラクティックの専門家を養成する大学教育機関が増加し、専門の資格や認定プログラムが設けられました。これにより、世界中で多くの人がカイロプラクターとしての訓練を受け、実践できるようになりました。
日本においてはカイロプラクティックは諸外国と比較すると、カイロプラクティックとしての本来の意味では認知されておりません。
日本では法制化されていないため、1日の講習など、短期のセミナーでもカイロプラクターと名乗れます。整体や整骨院、骨盤矯正、カイロプラクティックなど、一般の方が明確に選べるような区別が認知されておらず、全体として「整体」として認知されている状況です。
一般社団法人日本カイロプラクターズ協会は1998年3月に設立されたカイロプラクティックの業者団体です。倫理規定を重視し、透明性の高い開かれた組織でWHOガイドラインに準拠した医療専門職としての教育基準を満たした正規のカイロプラクターのみが所属できる団体です。世界保健機関(WHO)の非政府組織に加盟している世界カイロプラクティック連合(WFC)へ日本代表団体として1999年に加盟し、世界約100ヶ国の加盟代表団体の総意で決めたWFCの精神と政策を日本に伝え、実践を目指しています。
WFCの日本代表として、行政との折衝、国際交流、教育活動、研究活動、啓蒙活動の実践を通して、我が国におけるカイロプラクティックの業務をWHO基準で発展させ、倫理規定を設けて自主規制を行い、国民が安全に安心してカイロプラクティックを受けられるよう国内でのWHO指針に則った法制化の実現を目指して活動しています。
<カイロプラクティックの問題についての紹介動画です>
当院のカイロプラクターは4人全員JAC加入の正規のカイロプラクターです。臨床歴全員12年以上あり、カイロプラクティックを行なっております。
カイロプラクティックの理念のもの、患者様第一を考えて、柔軟な対応を致します。
背骨の調整、神経の調整、筋骨格系、頭蓋骨、内臓、ストレッチ、筋トレ、習慣アドバイスなど、統合的に施術等を行います。
整体は色々な療法の総称です。つまり、整体そのものに言葉以外の意味も定義もありません。カイロプラクティックは上記にあげたような明確な基準がある療法です。例えば、「果物」が整体だとしたら「バナナ」がカイロプラクティックです。
バナナはバナナでしかありませんが、果物には色々な種類があります。
「整体とカイロプラクティックって何が違うんですか?」と言うご質問を良くいただきますが、良い答えがいつも言えないのが現状です。「背骨の歪みを整えて神経を回復する専門家ですよ。」といっても、他の療法もそれを言っている場合があり、明確な差別化ができません。
カイロプラクティックと看板がある中で正規のカイロプラクティックの教育を受けている所は全体の5%程です(2023年現在)
整骨院とカイロプラクティックや他整体との違いなど、また違うブログで記述します。
世界の医療機関ではカイロプラクティックは4〜8年の教育が行われ、医師と同等の基礎医学は勿論、人の身体に関わるための専門的な教育を4200時間以上にわたり受けます。
医師や歯科医に国家資格があるように、カイロプラクティックにも教育基準と学士号があります。
米国や欧米では、カイロプラクターは背骨のお医者さんと言われております。
カイロプラクティックは世界40カ国以上で法制化され、80カ国以上で実践されている医療として認識されており、立ち位置は準医師(日本でいう歯科医師や獣医師)に相当します。
<カイロプラクターになるための教育基準の動画です>
以下は、一般的なカイロプラクティックの適応症です。
カイロプラクティックは治すのではなく、治る身体に導く事により、多くの症状に適応いたします。
また効果などは個体差がございますのでご了承ください。
などなど。症状別ページに今後もアップしていきます
カイロプラクティックは教育を受けたカイロプラクターが行えば安全な療法ですが、特定の状態や疾患がある場合には注意が必要であり、時には禁忌とされることがあります。以下は、カイロプラクティックの禁忌症の例です。ただし、これらは一般的なガイドラインであり、個々の症例によって異なる可能性があります。ライフバランス では、ヒアリングや鑑別分析の際に確認し、必要であれば医師の紹介も行います。無理した施術を行う事はございません。
骨折や骨折の疑い: 骨折や骨折の疑いがある場合、カイロプラクティックのアジャストメントは行えません。
重度の骨粗鬆症: 骨粗鬆症が進行している場合、骨の弱さやもろさが原因で骨折のリスクが高まるため、慎重なアプローチが必要です。
脊椎感染症: 脊椎やその周囲の組織に感染がある場合、カイロプラクティックのアジャストメントは避けるべきです。
椎間板症候群(Cauda Equina症候群): 脊椎の下部において神経根が圧迫されていて下肢に関連した症状が出ている場合、注意が必要であり、アジャストメントが禁忌とされることがあります。ただし、画像上でヘルニアや狭窄症があり、診断されても、神経根の問題が主訴ではない場合がございます。分析によってわかりますので、診断をうけて手立てがない場合もご相談ください。無理な矯正等は行わず、バランスを考えて施術を行います。
先天性の脊椎異常: 生まれつきの脊椎の異常がある場合、注意が必要です。
血友病や出血障害: 出血リスクが高い状態では、カイロプラクティックのアジャストメントが避けられることがあります。
頸動脈解離の既往歴: 頸動脈解離の既往歴がある場合、頚椎のアジャストメントは慎重に行う必要があります。
重篤な心疾患: 一部の重篤な心臓病状態では、慎重にアジャストメントを行うか、回避するべきです。
など。
これらの禁忌症は一般的なものであり、個々の状態や健康歴によって異なる可能性があります。治療を検討する際には、医師との相談が不可欠です。
また禁忌症に関しては、絶対的な禁忌と相対的な禁忌があり、どちらにせよ当院に来られた時のヒアリングや分析でもわかりますので、ご安心ください。すべてを自分たちで行うといった考えではなく、患者様の健康を1番に考えて対応を致します。
ボキボキ整体というものがSNSやWEBなどで流行っております。ボキっといった施術を見せる動画投稿です。
あくまでも私見ですが、私はヒヤヒヤして怖くて見れません。ほとんどの施術が矯正をする際にただ鳴るような施術に見受けられます。
関節はひねればボキっと鳴ります。特に頚椎の矯正は、脳につながる大事な動脈や神経などがあり、健康被害を起こしかねないと思います。
当院ではパフォーマンスによるボキボキ整体は行いません。ボキボキ鳴らしてほしい、というオファーも良く頂いておりますが、矯正は施術の一環であり、目的として行うことはありません。
行おうと思えば、全身どこでも鳴らせますが、必要に応じて行いますのでご了承ください。
一瞬の快感はありますが、鳴らすだけなら意味のない施術です。意味のないどころか健康を害する危険性もはらんでいます。
と、考えております。
あくまでもこれまで20年以上、矯正をメインに行ってきた意見です。
もちろん発信している中でも、素晴らしい矯正もあると思います。
カイロプラクティックの有効性については世界中で現在進行形で行われております。
これまでにもカイロプラクティックに対する調査と研究は行われており、主に以下の研究が認められております。
1ニュージーランドレポート 1979
2オーストラリア 厚生省レポート 1984
3スウェーデン代替医療委員会報告書 1987
4アメリカ ランド研究腰痛に対する脊椎マニピュレーションの妥当性 1991
5カナダ オンタリオ州 マンガレポート 1993
6イギリス 王室基金ビングハムレポート 1993
7アメリカ 連邦政府ヘルスケア対策研究局 成人における急性腰痛のガイドライン 1994
8イギリス 政府腰痛の臨床業務ガイドライン 腰痛ガイドライン1994
9カナダ ケベック州 カナダケベック州むち打ち関連疾患に関する調査 1995
10欧州 慢性非特異的腰痛管理ヨーロピアンガイドライン 欧州ガイドライン 2004
11イギリス 腰痛運動とマニピュレーションの無作為試験 2004
12WHO カイロプラクティックの基礎教育と安全性に関するWHOガイドライン 2005
13英国 内科学会および米国疼痛学会による統合臨床診療ガイドライン 2007
14国際調査 運動器の10年・頚痛とその関連疾患の調査委員会の研究 2008
15英国 NICE(英国国立臨床評価機構)ガイドライン 2009
16米国 米国内科学会 急性と亜急性の頚部痛に対する脊椎マニピュレーション、薬物施術、在宅指導の比較 2010
17英国 BMA(英国医師会)腰痛・頚部痛ガイド 2011
18アメリカ 急性と亜急性の頚痛に対する脊椎マニピュレーション、薬物治療、在宅運動指導の比較 2012
19日本 整形外科学会による腰痛診療ガイドライン 2012
20アメリカ 内科学会急性・亜急性・慢性の腰痛に対する保存療法の臨床業務ガイドライン 2017
21カナダ オピオイド鎮痛薬療法と慢性非がん性疼痛のガイドライン 2017
以下のような文献においておカイロプラクティックがが一部の症状や疾患に対して有効であることを示唆しております。
カイロプラクターによる研究は世界各地で随時行われております。
1. Hurwitz, E. L., Carragee, E. J., van der Velde, G., Carroll, L. J., Nordin, M., Guzman, J., … & Haldeman, S. (2008). Treatment of neck pain: noninvasive interventions: results of the Bone and Joint Decade 2000–2010 Task Force on Neck Pain and Its Associated Disorders. Spine, 33(4S), S123-S152.
この研究は、首の痛みの治療における非侵襲的な介入方法の有効性について、広範な文献レビューを行った結果をまとめたものです。カイロプラクティックについても言及し、一部の症例では有効であるとの結論を示しています。
2. Bronfort, G., Haas, M., Evans, R., & Leininger, B. (2004). Non-invasive physical treatments for chronic/recurrent headache. Cochrane Database of Systematic Reviews, 3.
このシステマティックレビューは、慢性または再発性の頭痛に対する非侵襲的な身体療法(カイロプラクティック、マッサージ、鍼など)の有効性についてのエビデンスをまとめたものです。カイロプラクティックが一部の患者において有効であると示唆しています。
3. Walker, B. F., Hebert, J. J., Stomski, N. J., & Clarke, B. R. (2013). Outcomes of usual chiropractic. The OUCH randomized controlled trial of adverse events. Spine, 38(20), 1723-1729.
このランダム化比較試験は、通常のカイロプラクティック治療の安全性や有効性についての研究です。痛みの緩和や身体機能の改善において、カイロプラクティックが有益であることを示しています。
今回はカイロプラクティックについて、まとめました。
随時もっと読みやすくなるように改訂や記事の更新を行います。
これまで、カイロプラクティックに長年携わってまいりました。カイロプラクティックだけが全てではないと思います。
緊急性の場合は医師にまず相談が必須です。私達もヒアリングや分析過程で必要な場合は医師に紹介いたします。
カイロプラクティックはデータや歴史もあり、健康増進効果の高い療法だと思います。
またこれまでの経験則的にも皆様のご健康のお役にたてると確信しております。
世界で広まるように、日本でも多くの方にカイロプラクティックが広まれば良いなと思っております。
何かお役に立てそうなことがございましたら、是非ご相談ください。
また遠方の方は、お近くの信頼のおけるカイロプラクティックを紹介いたしますので、いつでもご相談ください。
ライフバランス