産後 内 転 筋にアプローチする理由
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出産後には今まで経験したことのないような痛みや症状に悩まされることがあります。その1つが膝の痛みです。膝の痛みは放っておくとなかなか治り辛い症状の1つです。今回はその膝の痛みの原因とどのようにすれば改善して行くのかをご紹介していきます。
産後の膝の痛みがあると、生活にも様々な影響が出てきます。ほんの些細な日常生活のことでも痛みにつながることがあります。その一例がこちらです。
・朝寝起きでベッドから起き上がるとき
・お子さんを抱きかかえるとき
・抱っこで上下に縦揺れをするとき
・階段の昇り降りのとき
・足を前に踏み出すとき
・自動車やバスへの乗り降り
これらが代表的なものと言われています。産後の膝の痛みで特徴的なのが両側に起こるということです。腰痛や肩の痛みとはまた違ったシクシクと痛んだり、ズキっと痛むのが膝の痛みの特徴です。ですので、痛みのレベルとしても比較的強い部類に入るので産後の症状の中ではかなり辛い症状の1つと言えます。
産後の膝の痛みは筋力の低下で起こることがほとんどですが、中には見逃してはいけない病気も隠れています。
以下に記した症状があれば注意が必要です。
・発熱が続き、なかなか熱が下がらない
・関節がこわばる感じが、しばらく続く(特に朝方)
・あざや赤い発疹ができる
・痛みで夜中起きてしまう
・身体のだるさが何日も続きとれない
これらは膠原病と言われる病気のサインです(膠原病の中には有名な関節リウマチなどが含まれます)。発熱や発疹などがあれば顕著ですが、なかなかだるさやこわばりというのは自分では判断が難しいですよね。単に寝不足や疲れが原因かもしれないということもあります。
この項目を見ていただいて、少しでも気になったり引っかかったりすることがあれば一度お医者さんに相談してみても良いかもしれません。膝だけではなく、他の関節に関しても同様の症状がある場合には注意が必要です。
産後にはお身体の変化に伴って痛みを伴いやすくなります。また今までには苦痛に感じなかったことが、意外にも膝にとっては大きな負担となることがあります。それらを原因別に詳しく見ていきましょう
骨盤の歪みもそうですが、お身体全体の筋力の弱さも加わって、さらに重力の影響も受けて関節には大きな負担がかかります。一般的に言われている骨盤の歪みですが、半年ほどすると症状が治まってきます。それは骨盤の歪みが徐々にとれてくるからです。ただし、いくら骨盤の歪みが取れたとしても、それを維持するだけの筋力がないと元の歪みのある状態に戻りやすくなります。
さらに妊娠前と比べて体重が増加することで、膝にかかる負担はさらに大きくなります。歩いているときやしゃがむ動作、階段の昇り降りでは体重の2〜3倍の負担が膝にかかると言われています。それらのことからも膝が痛くなるというのも大いに納得できるところではあります。
元々の生活習慣と産後に変化する生活習慣の2つの側面からも痛みの原因というものが見えてきます。
まずは元々の生活習慣ですが、膝の痛みは実は欧米人よりも日本人の方がなりやすいと言われています。その原因は生活スタイルの違いにあります。まず欧米の人は生活様式が椅子やベッドが基本です。それに比べて日本は床での生活が多く、ベッドよりも布団で寝ていらっしゃる方も多いかと思います。床からの立ち上がりは、かなり膝関節に負担をかけてしまいます。
また産後変化する生活習慣としては、やはりお子さんの抱っこが原因として大きく関係してきます。お子さんの抱っこによりさらに膝にかかる負担は大きくなってしまうのです。
産後すぐに痩せたいと思うのは皆さんそうだと思います。
ただし、無理に運動を開始してしまうと却って身体のバランスを崩してしまう結果を招いてしまいます。スクワットやジョギングなどは確かに代謝も上がり痩せやすくなる良い運動ですが、時期を間違えて行うと膝の痛みの原因にもつながってしまいます。身体のことを思って続けた運動が、逆効果になるのはショックですよね…
ただし時期や運動量さえ間違えなければきちんと膝の痛みも楽になってきます。
まずはしっかりと運動できる身体を作っていきましょう。
産後に膝の痛みを起こさないために、もしくは痛みを起こしてしまったとしてもすぐに良くなって欲しいですよね。ここでは膝の痛みを予防もしくは改善に繋げるためのいくつかの方法をお伝えします。
痛みが強い初期の頃は膝や骨盤を保護してくれるようなサポーターやベルトも効果的です。ただしそれに頼りすぎていると、自分自身の筋力が弱ってしまい却って逆効果になってしまうこともあります。付けている時間は極力短期間に努めるようにしましょう。出産直後の1〜2ヶ月頃は積極的に付けていただいても構いません。時期によって上手使いこなせるようにしましょう。
まずは太もも前側のストレッチです。長時間立っている姿勢や膝を酷使する生活は太ももの筋肉にも大きく負担をかけます。
この筋肉にストレスがかかることで膝の痛みにつながる場合があります。
ストレッチの仕方としては、まず床に足を長くして座っていただきます。片方の膝だけを曲げて正座をするような姿勢になります。これだけでも太ももの前側の筋肉は伸びるのですが、さらにできそうであれば上半身を後ろに倒していきます。太ももの前側を痛みが出ない程度にゆっくりと反動をつけつずに伸ばします。片方が終われば反対側の筋肉も同様に伸ばしていきます。
これもまずは仰向けになってもらいます。両膝を立てて頂いて、そのままお尻を天井に向けて持ちあげます。その時にお尻をキュッと締めるような形で力を入れます。産後はお尻の筋肉も弱ってしまうことが多いので、バランス良く筋肉を鍛えることで膝にかかる負担を減らすことができるのです。腹筋運動は最初は無理なさらずに行ってください。急に始めたり骨盤矯正をしていない状態で行うと腰痛を起こしてしまう可能性があります。これも最初に仰向けになってもらい、両膝を立てます。その状態から手を太ももの前側をゆっくりと滑らせるようにして上半身を上げていきます。その時、同時に息を吐きながら行うとさらに効果的です。戻す時にはゆっくりと息を吸いながら戻します。
部屋の環境を変えてみることでも改善が見られることがあります。先ほどお伝えしたように、日本人は床での生活が多いと言えます。ソファや座布団を使った床の生活から椅子に変えるだけでも膝の負担が大きく軽減します。それだけで膝の痛みを感じることが少なくなったと言う人もいます。環境を変えられるところから変えてみるというのも1つの方法です。
膝にだけ問題があることは少なく、骨盤やその周りの筋肉など全体的に見る施術がおすすめです。
大体の方は5回前後の施術でお身体にも変化が出てきます。
初回にあまりにも「長くかかります」というのは、産後のお時間のないママにとっては大変です。
なるべく早くまずは少ない回数で身体を整えていきましょう。
以下簡易的なステップです。
①身体や骨盤の状態をもとに戻す
②内臓下垂を改善する
③安定するように少しずつ運動をしていく
④安定感が出てきたら、運動や強度をあげていく
①〜④すべてのステップの間にご自身で少ない時間、5分くらいでできるセルフケアを覚えて家で行う。
このように産後のからだを整えていくのが理想です。
産後はしっかりとした施術は必須です。
施術を受けていく中で、運動やサポーターのことなども相談してみるのも大事なことです。
産後にも様々な症状がありますが、特に膝の痛みというのは軋むような感じと鋭い痛みであることが多いです。
放っておくには辛い症状です。
お気軽にご相談お待ちしております。
千葉県松戸市の産後ケア専門`産後のからだ`
執筆:中村優斗 ドクターオブカイロプラクティック 作業療法士