・なんだか手に力が入らない
・肩のあたりから腕にかけて重たい
・肩甲骨のあたりに鈍い痛みが続いている
・上腕から手の小指にかけて痺れがある
・疼くような上腕の痛みで眠れない
・腕の感覚がない感じがする
・握力が明らかに弱い
などなど
このような症状でお困りの方がとても多く、相談もよくして頂いております。
これらの症状は「胸郭出口症候群」と呼ばれる症状かもしれません。
今回は胸郭出口症候群についてお話しいたします。
胸郭出口症候群とは?
胸郭出口症候群とは
胸郭出口症候群は、首と胸の間にある胸郭出口と呼ばれる部分で神経や血管が圧迫され、主に手や腕に痛みやしびれを引き起こす病態を指します。
傾向
胸郭出口症候群は主に30代から50代の中年層で見られることが一般的ですが、年齢だけでなく性別によっても異なる傾向があります。デスクワークや悪姿勢を取りやすい方、また筋肉質の方がなりやすい傾向にもあります。
胸郭出口症候群の種類
胸郭出口症候群には大きく分けて4つの種類がございます。
①斜角筋症候群(前斜角筋と中斜角筋の間が狭まる)
②小胸筋症候群(過外転症候群)(小胸筋の肩甲骨付着部位が狭まる)
③肋鎖症候群(鎖骨と第一肋骨の間が狭まる)
④頚肋症候群(頚椎7番の横突起の異常な発達により肋骨や胸骨の辺りで狭まる)
これらを総称して胸郭出口症候群と呼びます。
胸郭出口症候群の原因とメカニズム
筋肉や神経の不調が引き起こすメカニズム
胸郭出口症候群の主な原因は、周辺の筋肉や神経が過度に緊張したり、炎症が起こることによって、胸郭出口が狭くなり、神経や血管が圧迫されるメカニズムがあります。
なで肩のような状態で牽引されて胸郭出口が狭くなるのと、筋肉が強すぎて圧迫されて胸郭出口が狭くなるもの。また牽引と圧迫が混合してるものなど、メカニズムにはパターンがございます。
姿勢との関連性:日常生活での影響
悪い姿勢は胸郭出口症候群の大きな原因です。長時間のデスクワークや悪い座り方が、首や肩の筋肉の不自然な緊張を引き起こし、それが胸郭出口症候群に繋がります。
外傷や事故が引き起こす原因
外傷や事故によって、胸郭や周囲の組織に損傷が生じると、それが胸郭出口症候群の原因となります。事故や外傷の後に症状が現れることもあります。
身体の使いすぎ
身体の使いすぎも原因となります。普段持たない重いものを長時間持ったり、反復したきつめの筋トレをしたりすることで現れる事もあります。華奢な女性もなる症状ですし、ボディビルダーのような屈強な身体をされた男性もなります。
女性におけるホルモンの影響
女性の場合、妊娠や出産、ホルモンの変動が胸郭出口症候群の発症に影響を与えることがあります。
胸郭出口症候群の症状:身体のサインに注意
手や腕のしびれや痛み
胸郭出口症候群の主な症状には、手や腕のしびれや痛みがあります。これは神経や血管の圧迫によるもので、しばしば手首から指先にかけて感じられます。
肩や首のこりや肩甲骨の痛み
肩や首のこりも胸郭出口症候群の症状の一部です。筋肉や神経の不調が、これらの領域に不快感や痛みを引き起こします。
眠れないくらいの疼く痛みが出る事もしばしばあります。
症状の経過
適切な対策を練らないと、徐々に症状は強くなるケースもあります。また同じような症状との鑑別が大事ですが、しばしば医療機関で検査をしても原因不明か頚椎の変性と診断が下される場合があります。
胸郭出口症候群の分析
他の病状との鑑別診断
胸郭出口症候群の分析は鑑別がとても重要です。
同じような症状を呈するものが非常に多く、問題を的確に確定しないと、無駄な対策を繰り返す場合も多々ございます。
・頚部神経根の問題(頚部椎間板ヘルニア)
・円回内筋症候群
・肘部管症候群
・手根管症候群
・筋筋膜痛症候群
などなど。
ヒアリングから始まり、筋力や痛覚の確認、末梢神経の絞扼の部位の確認などをして鑑別をする必要があります。
器質的な疾患の確認
またX線やレントゲンにより、器質的な疾患や前述の頚肋症候群の異形の問題なども確認する必要があります。
多くは筋骨格系の問題なのですが、内臓の病変からくる場合もあります。
ライフバランス ではヒアリングや分析により鑑別したのち、自分たちがアプローチできない器質的な疾患がある場合がすぐに病院を案内いたします。
カイロプラクターによる分析
アレンテスト、アドソンテスト、ライトテストといった胸郭出口症候群のそれぞれの狭窄部位を確認する分析も行います。
これらは整形学検査といって、身体を動かしてそれぞれの発症場所を確認する検査方法です。
カイロプラクターは日本においては診断はできません。法制化している国のカイロプラクターは徒手による検査により鑑別診断を行います。当院のカイロプラクターは法制化している国と同じ教育を受けており、どこで何が発症していているかを確認する手段を知っております。
胸郭出口症候群を和らげるストレッチとエクササイズ
簡単なストレッチの実施方法
症状を軽減するストレッチやエクササイズがございます。部位別の動きを他のブログで動画をつけて解説しますので、少々お待ちください。
姿勢を改善する筋力の強化
姿勢の改善や周辺の筋肉を補強し、胸郭出口症候群の症状を軽減するのに役立ちます。
こちらもブログで伝えますので、更新をお待ちください。更新しましたらこちらからリンク致します。
生活習慣
同じ体勢を長時間続けない
筋トレを始めるときは最初から無理はしない
座っている時の姿勢をなるべく猫背にしない
スマートフォンを見る時の首を前に突き出す姿勢を気をつける
などなど。
お気をつけて見てください。
またこちらに関しても詳細を話していきます。
胸郭出口症候群へのカイロプラクティックのアプローチ
カイロプラクティックによる調整
カイロプラクティックは、背骨や関節の調整を通じて神経系や筋肉のバランスを整え、胸郭出口症候群の負担を減らすことができます。また鑑別により原発部位を特定しているので、より早く良くなるように的確に施術をすることができます。
直接アプローチの方法
症状の原因に直接アプローチし、神経や血管の圧迫を軽減します。個々の症例に合わせた施術が行われます。
筋肉や神経の調整を行うことで改善へと導きます。
姿勢の改善
悪姿勢は胸郭出口症候群の大きな原因となります。ポイントは痛みの出ない姿勢を自然に作ることです。
胸郭出口症候群と言われると、なんだか小難しい言葉で大変な症状になってしまったと思いがちですが、その状態になったのには必ずそれまでの蓄積があります。生活の習慣による姿勢の変化が大きな問題です。そこにアプローチをすることにより、より早く症状の軽減を目指せるのと、再発の防止になります。
胸郭出口症候群とは まとめ
ここまでお読み頂いてありがとうございます。
はじめにも書きましたが、胸郭出口症候群はとても多くの方がお悩みの症状です。
症状は結構辛いものも多く、日常の生活に支障をきたす場合があります。
また細かい鑑別をして本当の原因を見つけないと、数ヶ月単位でお困りになられる方も多くいらっしゃいます。
カイロプラクティックに来る方はほとんどが病院や整骨院にいって、原因が良く分からずに困っていて、藁をもすがるつもりで来られる方が多いです。
初めからカイロプラクティックを選んで欲しい!なんて大それたことは言えませんが、何か医学的な検査で特別な病態がない場合に、本当の原因をみつけて元に戻すことは私たちの得意な分野です。
どのくらいで改善するかは、個人の体力差や発症してからどれくらい経っているか等により違いますが、何が問題かをわかれば、早めによく出来るかと思います。
お困りの方はご相談下さい。
また運営する、石川貴章による学校IMICのブログでも胸郭出口症候群の一つ、斜角筋症候群を詳細にプロの目線から解説しております。こちらはカイロプラクターや整体師やセラピスト向けの記事ですが、詳細に書いておりますのでどうぞご参考になさってください。