産後　ぎっくり腰

執筆：中村優斗　
D.C.（ドクターオブカイロプラクティック）作業療法士

ご訪問ありがとうございます。
このページではご来院された方の実例をレポート致します。
今回は
産後のぎっくり腰
の方のケースです。
是非ご参考になさってください。

産後　ぎっくり腰

30代女性
ご来院時期：産後3か月

これまでの経過

3か月前に第一子をご出産。腰の痛みや恥骨の痛みなどあったが、ごまかしごまかし過ごしていた。
とにかく毎日が忙しくて、なかなか時間が取れない。
妊娠前はなかった身体の不調に戸惑いながらも、なんとか生活をしていた。
ご来院される4日前に、授乳からふと立ち上がった瞬間に腰に「ビクツ」とした痛みが走った。
しかし、動かないわけにもいかないので、そのまま少し痛みがある中で家事や子育てをしていた。
時間が経つに連れ、徐々に腰の痛みが増してくる。ピンポイントで右の腰の下部の方が痛くて、遂には動けないくらいの痛みになってしまった。
痛み止めや湿布は授乳をしているから、なんとなく使うのをやめて、這うように動いてやることをやっていた。
3日経って少し動けるようになったが、腰にはまだ強い痛みがある。
いい加減、自分のケアをしなくてはと思い、産後ケアを受けようと思って連絡をした。

当院を選んだ理由

近くにあったのと、前に友人が通っていて、良いイメージがあったため。産後ケアにはあまり興味がなかったが、身体の不調が続いているのと、今回のぎっくり腰のような
激しい痛みがあったので、限界を感じて相談した。

身体の所見

初回はまだ痛みが強い状態だったので、だいぶ姿勢に歪みがあった。真っすぐに立てない状態で、腰部の痛みを避けるような姿勢になっていた。
いわゆる逃避姿勢といった状態で、それにより股関節や膝関節、背部の筋肉の過剰な負担がかかっていた。
骨盤周りを確認すると、骨盤底筋や大腰筋といった姿勢を支えるすべての筋力が低下しており、安定性が全くない状態であった。
ゲームのジェンガで言ったら、最終局面のような状態。ふらふらしていていつ崩れてもおかしくない状態だった。
その状態を筋肉が無理やり支えているので、過剰な緊張をしていた。
右股関節、左右恥骨に動きの問題があった。

身体の分析

恥骨の動きの問題によって、左右の内転筋や骨盤底筋、大腰筋の弱化がみられ、不安定な状態になり現在に至る。
現在のぎっくり腰の部分は右側脊柱起立筋の拘縮がみられた。拘縮とは筋肉の伸長性がない状態。
施術の順番としては
①恥骨の動きを整える　
②全身の関節の動きを正常化する。骨盤は不安定なので、締める施術
③弱化した筋肉に対して、正常に働くようにアプローチ
④拘縮した筋肉のリリース
⑤内臓下垂へのアプローチ

この順番で施術を行うと、身体が安定性を取り戻し、今回のぎっくり腰の早期の改善が見込めると判断。
産後3か月たっているが、安定性を取り戻すのは2回の施術。そしてそれ以降は安定性の状態を見ながら全身を整えていくのに3回程で遂行ができると判断した。
またその後、体形などが気になる場合は、エクササイズを交えたセッションを行うのも良いかと思われた。

施術

施術はとにかく、傷んだ腰の部分に負担をかけないように行った。特に初回は痛みが強かったので、なるべく強い動きをつけないで、安定するために行った。
もちろん、バキバキするような施術は完全NG。産後の方全般にバキバキは基本的には行わない。
毎日の生活があるので、負担がかからないように、なおかつ効果が出るように施術を行った。

経過

1回目施術後は、まだ痛みがあるが、歩いたり立ち上がるのがだいぶ楽になられたとおっしゃっていた。
ただし、このような場合は1時間後くらいにまた同じような痛みが出る場合があると伝え、ゆっくりと気をつけてご帰宅されるように伝えた。
2回目、2日後に来られた際に、腰の痛みは初回が10だとすると3まで変化があったとのこと。安心しました。
2回目はだいぶ積極的な施術ができるようになったので、ご出産でダメージのあった組織を全部回復するように施術を行った。
またお身体に合わせたエクササイズも伝えて、お家でご無理のないように行うように話をした。またLINEからエクササイズや腰痛に関するフォローも行って
お家でセルフケアをして頂いた。
3回目は2回目の1週間後。
ぎっくり腰は全快されたとのこと。また普段あった重い腰痛や恥骨の痛みは全くなくなったとおっしゃっていた。
内臓下垂がまだあったので、全身と内臓への施術を行い3回目終了。
産後6カ月～7カ月はまだまだ身体に変化が出やすい時期なので、3週間4週間くらいでメンテナンスを行った。
また運動をしっかりと行いたいけど時間が難しいので、お家でできるセルフケアを行い、時々ＬＩＮＥでアドバイスを行った。

施術者より

産後ぎっくり腰、本当に辛いです。やらなくてはいけないことがたくさんあるのに、動けない状態になるというのは産後のママの生活の中で相当大変です。
今回はぎっくり腰をおこして4日後に来て頂いて、なんとか早めに回復されてよかったです。しかし発症後の3日間は本当のお辛かったと思います。
いつもいうように、産後はご自身や周りのご家族が思ってるより更に身体にはダメージがあります。その具合は人それぞれですが、腰痛や恥骨痛などはっきりとわかる不調があるなら
早めに産後ケアを受けることをお勧めします。
ただ中々時間が取れないと思います。
一緒に赤ちゃんをお連れ頂いて大丈夫ですので、1回だけでもお越しいただいて、しっかりと状態を確認し施術を行い、アフターフォローも行いますので
お時間を作ってお越しいただければと思います。
産後の皆さんが元気に生活できるのを応援いたします。

執筆：中村優斗　
D.C.（ドクターオブカイロプラクティック）作業療法士

※効果には個人差がございますので、予めご了承ください。

• < 前の記事へ
• 一覧へ
• 次の記事へ >