執筆者:B.C.Sc-Bachelor of Chiropractic Scienceカイロプラクティック理学士 応用理学士 杉原伴
胸焼けや胃もたれ、胸の痛みが起きるのは何故
ライフバランスは胸焼けの症状でご来院される方も実はとても多くいらっしゃいます。
医師の診断は逆流性食道炎ですが、実は普段の姿勢と自律神経が大きく関与しています。
お悩みが長くてお辛い方は、私たちが力になれると思います。
是非ご一読ください。
逆流性食道炎って何?
逆流性食道炎(GERD)と非潰瘍性逆流性食道炎(NERD)は、食道に逆流する胃酸や胃内容物が引き起こす疾患です。
GERD(Gastroesophageal Reflux Disease)とNERD(Non-Erosive Reflux Disease)は、両者とも逆流性食道炎を指す言葉ですが、いくつかの違いがあります。
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GERD(逆流性食道炎):
- GERDは、食道に逆流する胃酸や胃内容物が食道の組織に損傷を与え、炎症を引き起こす病態を指します。これは、内視鏡検査で食道の粘膜に炎症や潰瘍が確認される場合に診断されます。
- GERDの症状には胸焼け、胸痛、嚥下困難、咳、声のかすれなどが含まれます。
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NERD(非潰瘍性逆流性食道炎):
- NERDは、逆流性食道炎の一種で、内視鏡検査では食道の組織には明らかな損傷が見られない状態です。つまり、粘膜に潰瘍や炎症が見られないため「非潰瘍性」と呼ばれます。
- NERDの患者はGERDの症状を経験しているが、内視鏡での検査では食道に明らかな異常が見られないことが特徴です。
- 診断は主に症状や他の検査(pHモニタリングなど)に基づいて行われます
出展・参考:お腹の健康ドットコム
逆流性食道炎は問診、内視鏡の検査などを医師により行われます。そして生活習慣の指導であったり、投薬により治療が行われます。
逆流性食道炎という名前が一般的になったので、胸焼けや呑酸、胸の痛みや声のかすれなどがあると、逆流性食道炎だと自己判断する場合がございますが、他の病気も隠されている事もございます。
違和感があり、2週間以上と続くような場合は必ず医師に相談しましょう。まずは重篤な疾患を除外するのが最重要です。
逆流性食道炎と診断されたのならば、もちろん辛い症状ではありますが、恐れすぎずに本当に良くするための一手を講じることが大事です。
ライフバランスはまだ病院に行っていない症状の方も相談いただきますが、ヒアリングで問題がある場合には、懇意にさせていただいている高田胃腸内科外科様 に紹介致します。
器質的な疾患がない限り、治療と並行して施術もご利用いただく方がほとんどです。
どのような方がご来院されるのか
ライフバランス では、逆流性食道炎と診断されて、薬を服用しているが、症状がなかなか収まらなくてお悩みの方がいらっしゃいます。カイロプラクティックの選択肢は通常、最後の手段に思われますが、実はとても有効で根本的な改善を促せる場合がございます。
大切なのは姿勢と自律神経
姿勢が大切?と思われる事でしょう。しかし逆流性の食道炎のガイドブックにのっているように姿勢がとても重要です。
生活習慣→姿勢の悪化→逆流性食道炎といった流れによる発症が一番考えられるルートです。
姿勢の悪化により
・内臓の圧迫
・自律神経の働きの低下
・横隔膜の緊張による食道括約筋の弱化
姿勢の悪化は内臓を圧迫し、内臓の働きを低下させます。また悪習慣や悪姿勢により背骨の脇から出ている自律神経の流れが悪くなることでも、内臓本来の働きを低下させます。
みぞおちの部分の横隔膜。焼肉でいったらハラミの部位である呼吸の要です。
姿勢の悪化により内臓が下垂し、横隔膜が過剰に緊張し食道括約筋の働きに影響が出ると胃の内容物の逆流を起こす場合が
あると考えます。
逆流性食道炎のアプローチ
背骨の調整
背骨の部位より抹消の神経が全身に出ていて、内臓につながっています。
胃や食道につながる自律神経、頚椎から内臓のほぼ全般をコントロールする迷走神経。
背骨の調整により、身体の巡りを正常化します。
内臓の調整
内臓の機能を高めるための施術を行います。内臓には動きやリズムがあり、オーストラリアの内臓の権威であるDr.pollteliから直伝の施術を行います。また横隔膜や呼吸に関係する施術を行い、内臓が元の位置、動き、働きになるように促します。
とてもソフトですが、効果はパワフルです。
横隔膜周辺
横隔膜周辺に対するアプローチを行います。横隔膜への施術、呼吸の調整、また硬膜といって体の中にある膜の調整を行い、リズムの内臓・呼吸のリズムを取り戻し、本来の働きが行われるようにアプローチを致します。
生活習慣の指導
根本の原因は生活習慣です。悪い姿勢の習慣や食生活。ご相談いただいた時に、何か原因となるような事を探し、それを伝えます。良かれとおもってやっていたことなども、意外に原因かもしれません。
生活習慣の劇的な変化は逆にストレスを生む場合がございます。できる限りストレスがない範囲で徐々に変えていきましょう。
逆流性食道炎とカイロプラクティックの海外での文献
海外ではカイロプラクティックの研究は随時行われております。研究には多くの被験者が必要であり、日本の土壌では中々厳しいものがありますが、アメリカではカイロプラクティックは法制化され、プライマリーヘルスケアとして受ける患者さんも多く、研究が進んでおります。
1. Geirsson A, Winans CG, Hussain R, Abramowitch S. Chiropractic care for patients with gastroesophageal reflux disease: a systematic review of the literature. J Chiropr Med. 2020;19(2):126-134. doi:10.1016/j.jcm.2019.12.005
(カイロプラクターケアが逆流性食道炎患者に与える影響についての文献のシステマティックレビュー)
2. Lee T, Kim KM. Chiropractic management of a patient with gastroesophageal reflux disease and hiatus hernia: a case report. J Phys Ther Sci. 2016;28(12):3563-3566. doi:10.1589/jpts.28.3563
(カイロプラクター療法による逆流性食道炎とヘルニアを持つ患者の治療に関するケース報告)
最後に
若い女性に多い逆流性食道炎ですが、最近では年齢性別問わずに罹患しているケースがとても多いです。
ライフバランス に来られる方も、胃腸の不調を訴える方がとても多く、その際に調整をすると症状が改善するケースが多く見られます。
今、もし症状があるのならば、それは「結果」です。結果を診断され、それに対処することはとても重要です。
その中で、私たちは「結果」を確認、認識した上で、「経過」に対して施術を行います。
どのような症状にもかならず「経過」があります。
経過に対してアプローチをし元の動きや働きに戻すのが私たちの役割です。
皆様のご健康の回復に少しでもお役に立てれば幸いです。
逆流性食道炎で、お困りの方は一度ご相談ください。